Post2013/08/05

地域の人の健康を守る保健師さんの仕事 「恵庭市保健福祉部福祉課 山口 茉莉さん」

地域の人の健康を守る保健師さんの仕事 「恵庭市保健福祉部福祉課 山口 茉莉さん」

今回は、恵庭市保健福祉部福祉課(保健センター)で保健師の仕事をなさっている、山口茉莉さん(社会人2年目)にインタビューしました。保健師という仕事のやりがいや難しさ、そして看護学生の大学生活についてお聞きしました!


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山口さんはどんな仕事をしていますか?

私は今、恵庭市の保健センターで保健師の仕事をしています。
保健師は、簡単に言うと地域の人が健康のまま生活できるように支援する仕事です。病棟の看護師は病気の人を相手にしますが、保健師は主に健康な人が対象です。保健センターにはいくつか部門がありますが、私の担当は母子保健で、乳幼児の健診や、赤ちゃんが産まれた全ご家庭に家庭訪問をして、体重を測ったり、順調に発育しているかを確認したりしに行きます。妊婦さんの支援も行なっていて、母子手帳の発行や妊婦教室で講話などもしています。
やりがいというと、ケアする範囲が多岐にわたるところですね。看護師だと患者さんひとりを看ますが、保健師の場合は赤ちゃんだけでなく、お母さんや家計を支えるお父さんの健康までしっかり気を配らなければなりません。それが難しさでもあるんですけどね。
大学の看護実習で病院にいる人と会って、ここはいるべき場所ではないんだ、やっぱり家に帰りたいんだと感じたんですね。保健師はその点、自宅つまり自分のいるべき場所で生活できるようにするという点で病棟での看護の仕事と少し違いますね。

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もともと保健師を目指していたのですか?

最初は、養護教諭になりたいな、と思っていました。小学校のときに具合が悪くなることが多くて、よく養護の先生に看てもらったりしていたんです。そういう経験から自分もこんなかたちで人の役に立ちたいなと思っていました。そこから人のためになる医療系の方に進みたいと思って大学で看護学科に進みました。
北大の看護だと、看護師・助産師・保健師になる道があって、最初は助産師になりたかったんです。実習で全ての科をまわって、産科にいる人は病気を抱えている訳ではないところが独特だと思ったし、命の始まるところに関われるので助産師になりたいな、と思いました。
でも、産科の実習のなかで、マタニティーブルーのお母さんのケアをしたんですけど、症状が改善して退院する時に、この人は地域に戻って頑張ってやっていけるのかな、と思ったんです。病棟では助産師や看護師が助けてくれるけど、家に戻ったら自分の力で頑張らなきゃいけないんだなと。それがきっかけで保健師を目指すようになりました。

どんな学生時代を送っていましたか?

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看護学生は2年生から基礎看護学実習というものが始まります。実習のスパンは2~4週間くらいとまちまちですが、そこから4年生の秋くらいまで実習があります。実習中は本当に大変で、看護系の学生は実習中に太るが激ヤセするかどちらかです(笑) 私は記録が終わらず、寝る暇がなかったです。あまり大学生らしくない生活だったと思いますね。
保健師になりたい場合は、公務員試験と、看護師と保健師の国家試験に受かる必要があります。市町村によって違うんですけど、恵庭市だと6月に公務員試験があり、卒業直前の大学4年2月に国家試験を受けます。専門の授業や実習をしながら試験準備もしなければならないので、その時期はすごく大変でした。
看護学生は楽しいことばかりじゃないですが、患者さんと関わって、泣いたり笑ったり、追い詰められたりして、すごくいろんなことを吸収できた4年間だったなと思います。人のためになる仕事とは言っても看護系の人たちは「白衣の天使」とは全く違うイメージで、たくましくて強い人が多いです。気が強くなければやっていけない仕事だと思いますね。

進学先として北大を選んだ理由は?

医療系が集まっている大学や専門学校でも看護師の免許は取れるのですが、私は総合大学に行きたかった。医療系だけが集まるところだと、どうしても医療系に偏った考え方になってしまうと思ったし、もっと文系やいろんな人との話を聞けば勉強になるし、視野も広げたいと思いました。
今は北大に入って良かったなと思います。大学2年生からは、看護の専門学校と同じような生活で、実習で寝る暇もなかったりしました。でも1年生のときに所属していたサークルなどでいろんなつながりができて、それは本当に良かったなと思いますね。

学校で学んだことで今に活きていることは?

実習では全部の科を回ったので、すごくためになっています。小児科での経験は今すごく活きていますね。実際保健師になってみて、みんな本当にいろんな病気で悩んでいるんだと分かりました。例えば精神科の実習はすごくつらかったんですけど、そこでの経験は後ですごく役に立っています。今までのいろんな知識がつながっているんだな、と社会人になって気づくことが多いです。いつ使える時が来るかわからないので、専門の授業でやったことをもっと吸収しておけば良かったなと思いますね。社会人になってから、勉強のためにまとまった時間を取るのはすごく難しいので。

これからの目標はありますか?

まだ2年目なので、まだまだ頑張り途中なところはありますが、大学の時にやりたいなと思ったのは、性教育の分野なんです。性教育の話はタブーというか受け入れられにくい話ではあるのですが、現実には幸せでない出産をする人もいるので、そういった人に正しい知識を与えてあげて幸せな出産を増やしていきたいなと思っています。私は医療の専門的な知識があるので、性感染症をどうすれば予防できるかとかあまり抵抗なく考えらますが、他の人からすると少し抵抗のある部分なのかなと思います。そういったことを高校生に伝えていきたいですね。いざ社会に出てみると理想と現実があって、なかなか今やるのは難しいのかなと思いますが、いずれやってみたいですね。

いまは、お母さんらしさを大事にできるような保健師になりたいと思っています。人や家庭によってそれぞれ生活が違いますから、こうすればいいよと押し付けるのではなくて、まずは聞いて受け止める。そして、どうすればお母さんにとって一番いいのかなと一緒に選択肢を考えてあげるということを大切にしています。

学業以外で力を入れていたことは何ですか?

サークルで、北大祭実行委員をやっていました。大学1年生から2年生の6月までと短いですが、その中で広報部の部長をやっていました。私はダメダメ部長だったんですけど(笑) 私は一人でバリバリやるタイプではなく、得意な人が得意な分野で活躍できるようさせるタイプだったんです。だから部門を越えて協力しあったりしていました。良かったことは、言い合いのできる仲間を得たことですね。それは大きな財産です。
ただ、看護で北大祭実行委員をやるのはすごくキツいんですよね(笑) 実習も始まると本当に大変で。でも自分は看護だけになりたくなくて、他のこともやってみたり、人とのつながりを広げたりしていきたいなと思っていました。それは社会人になった今でも同じです。保健センターだけでなく、職場のサークル活動に参加したりもしています。いろんな人とつながっていくことでいざとなった時に助け合えるかなと思います。

2013-07-015

最後に、高校生やこれから進路選択を行う人に向けてメッセージをお願いします!

その時やりたいことを思いっきりやることだと思います。先々のことを考えて今やりたいことを諦めてしまうひともいると思うんですけど、高校生って先の事を見通すのは難しいと思うんです。だから今を大切にしてほしいなと。
私が今振り返って後悔なく生きてこられたと思うのは、その時やりたいことに全力で取り組んできたからだと思います。実は、私は浪人して大学に入りました。高校の時は美術部で高3の秋まで部活を続けていて、周りは受験勉強に一生懸命で自分も勉強しなきゃとは思いながらも自分は絵を書くのが好きだったので、最後まで続けました。今やりたいことをやってきたら後悔なく進めると思います。
「これをしなきゃ」ということから、「これをしたい」に変えられたらいいですね。そのためには、自分の時間を大切にすることだと思います。私は浪人している間、自分の事だけを考えていました。それまで自分と向き合う時間はなかなかなかったので、その時間はすごく大切だったと思います。今の高校生には自分を大切にしてほしいです。

授業に実習、サークル、試験勉強と、看護学生として非常に忙しい大学生活を送りながらも、とても充実した4年間だったとおっしゃる山口さん。実際の看護系の人は「白衣の天使」とは全く違うイメージ、という言葉がとても印象的でした。保健師さんへの道のりもその後の仕事も決して楽なものではないのだと実感しました。山口さんの優しさと大きな包容力をひしひしと感じる取材でした。今回は取材をお受けいただき、本当にありがとうございました!

 

【編集者:北海道大学 松浦友香】

Data

山口 茉莉 (やまぐち まり)さん

北海道大学 医学部保健学科 看護学専攻 卒

1988年生まれ。旭川市出身。
北海道大学医学部保健学科看護学専攻を2012年卒業。
現在、恵庭市保健センターで保健師として母子保健を担当。社会人2年目。


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