Post2014/12/03

人の『行動』と『環境』の関係を研究する【北海道情報大学 隼田尚彦 先生】

人の『行動』と『環境』の関係を研究する【北海道情報大学 隼田尚彦 先生】

今回ご紹介するのは北海道情報大学の隼田尚彦先生。『環境行動学』を専門としながら、グループホームの設計に携わるなど多岐にわたって活躍されている先生です。先生の記事は、研究編と講義編の2編お届けしていきます。今回は研究編をお楽しみください!


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環境や景色に対する人に認知について研究

先生が専門としている研究について教えてください。

私の専門分野は『環境行動学』と呼ばれています。この研究は、心理学や社会学といった『行動科学』と『建築学』等にまたがっており、『人を取り巻く環境』と『人間の行動』の関係を探求する学問です。

私は、もともと都市デザインに興味があり、どのようなデザインが人々に好まれるのかを研究するうちに、環境認知の研究を行うようになりました。博士論文は、『CGアニメーションによる街路景観の視覚的認知とイメージ形成』というタイトルで、人々の環境認知の特性を分析して、簡易的なCGアニメーションを用いた空間シミュレーションの効果を検証したものでした。

人は街を歩いている時、景色を元に「危なそうな場所」「楽しそうな場所」といったイメージを抱きます。これらの判断は大ざっぱな基準によって行われていて、視界に入る全ての映像を見て判断しているわけではありません。つまり、イメージは『見たものそのまま』ではないんです。

例えば、ある場所を週に何度も歩いている方にその場所の写真を見せると、実際に存在しているベンチに対して「こんなものはなかった。これは合成写真だ。」と言ったりします。つまり『ベンチの有無』はその場所に対するイメージに影響しないこともあるのです。

逆に、来たことが無い場所に訪れた時に「どこかで見たことがある景色だ。」と感じることがありますよね?それは何かの要素が過去に観た景色にすごく似ているんです。景色の中で印象に残り、目印となる『要素』をランドマークと呼ぶのですが、ランドマークが似かよっている時などに、「どこかで見たことがある景色だ。」と思うんです。

そこで、景色を判断するために必要な『ランドマーク』や『最低限の特徴をふまえて簡素化した建物』などで構成したCGでも、現実空間と同じような印象を形成できることを、実験で確認しました。

現実とほぼ同じイメージをCGで再現

具体的にどのような実験を行ったのでしょうか?

『現実世界』『録画した映像』『CG映像』の3者の比較を行いました。まずCGのモデルとなった街を歩いてもらいます。そしてアンケートやインタビューを行い、それぞれの場所についてのイメージとその原因について訊きます。また、アイカメラを用いて被験者がどこを見ているかを記録します。

次に、『CGのアニメーション』『録画した映像』を用いてそれぞれ同じように実験を行います。当時は約20年前だったので数百万円するパソコンを用いても影が無かったり、質感は本物からかけ離れていました。

しかし、『現実世界』『録画した映像』『CG映像』の3者の実験結果を比較するとほとんど変わらないことがわかりました。一方で写真などの静止画から形成されるイメージと動きのある映像から形成されるイメージは大きく異なることがわかりました。

 

《 続きは次のページへ:大学院修了後は保育施設や老人施設の研究に携わる 》

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Data

隼田 尚彦(はやた なおひこ)先生

1996 年3月 北海道大学大学院工学研究科(建築工学専攻)博士後期課程修了
1996 年9月 ウイスコンシン大学ミルウォーキー校建築都市計画研究センター 博士客員研究員
1997 年10 月北海道大学大学院工学研究科 助手
1998 年10 月北海道教育大学岩見沢校 併任講師
2001 年2月 シドニー大学建築学部 博士客員研究員
2001 年4月~北海道情報大学情報メディア学部 助教授・准教授・教授


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